どうぶつ将棋 〜ヒューリスティック思考
中学生棋士の藤井君の大活躍で将棋が再注目されていますが、どうぶつ将棋は小さい子供でも手軽に楽しめる将棋です。
将棋は9x9マスの盤上に40枚の駒が入り乱れますが、どうぶつ将棋は3x4の盤上で8枚の駒でやる簡易的な将棋と言えるでしょう。

どうぶつ将棋は女流棋士が考案し普及しています。
簡易的な将棋といっても、Theボードゲームとも言える将棋のプロフェッショナルが考案したものだけあり十分に奥が深いボードゲームです。
基本コンセプトは将棋とほとんど同じです。ライオンが王様で相手のライオンを捕まえたら勝ちです。駒に記されている赤い小さい丸の方向にだけ駒は一つだけ進めます。
ライオンは縦横斜めどの方向にも1マスすすめます。ゾウは斜めに1マス、キリンは縦横に一マスといった感じです。
3x4マスで8駒のどうぶつ将棋で、いかにも単純そうに見えますが、局面は15億通りもあります。人間が1つ1つ、計算できるような局面数ではないですね。
そういう場合、人間はどういうふうに思考していくことになるでしょうか?
もちろん15億通りもの計算は出来ませんので、経験値や経験則で大枠を判断した上で、その後にパターンを限定して詳細の手を読むことになります。
何事にも「大局観」が大事とよく言われますが、そのような思考パターンを「ヒューリスティック思考」と言います。
人間が日常的に思考するやり方そのものですね。人間はコンピューターとは違うので、大局観と論理的思考をミックスして思考する必要が常にありそうです。
将棋では本格的すぎるという場合には、どうぶつ将棋のようなゲームでヒューリスティック思考を体感してみるというのも良いかもしれません。
もちろん、最後は論理的思考・ロジカルシンキングがものをいいます。
例えば、この形はライオンが詰んでる形ですが、最終局面でどうやったらライオンを追い詰めるかは、論理的に手順を組み立てていく必要があります。

対戦人数:2人
対象年齢:5才くらい〜
ルール概要:
基本的には将棋のルールを踏襲していますが、多少違いがあります。
・初期配置→ 下段の左から、ゾウ、ライオン、キリン。ライオンの上にひよこ。
・取った相手の駒は持ち駒として将棋と同じように使えます。
・ひよこは、敵陣(1段目か4段目のこと)に入ったら、鶏になり将棋の金と同じ動きをします。
・相手のライオンをキャッチするか、自分のライオンが敵陣にはいれば勝ち。
コラム1: ・将棋では自分の玉が敵陣に入ることを「入玉」と言います。
どうぶつ将棋では、入玉しても勝ちということです。
コラム2:
・どうぶつ将棋は、実は、コンピューターを使って数学的に完全解析されていて、後手必勝が証明されているのです。
・後手必勝とはミスなく最善手を打ち続ければ後手が必ず勝つ手順があるということです。
ただし、15億通り以上の分岐から、適切な手を打ち続けるという神業ができればですが。。。
・人間同士の大局ではそうは行きませんので、どうぶつ将棋が完全解析されていても知育要素が損なわれるということではありません。将棋AIの方が人間より強くなっても将棋の面白さが損なわれないのと同じことです。
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知育ボードゲーム協会主催のキッズ・ファミリー向けの
ボードゲームワークショップでプレイできます。
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